新商品ができました。籐で作ったトノボードです。
めっちゃ雰囲気いいです!味が出て数年後はもっと気に入っていることでしょう。
今日は作った話、聞いてください。
○ビリビリ
きっかけはカングーを見にこられたお客様の旧いワーゲンビートルでした。
1969年製(50年前!)のビートル。
興味があって中をのぞくと籐でできたボードがあり、電気ビリビリ!これは!! ((( ゚o゚)
オーナーさんに詳しく聞くと、昔実際にあったビートルのオプションパーツだと。
車体と同じくずいぶん旧いもので、探して探して個人オークションで見つけたんだそうです。
つまみがついたフタを開けると物入れになっています。変化をつけた編み方もかわいい。
クルマに籐だなんて雰囲気最高ですね。
そういえば、フィアットJOLLY、オースチンミニBeach Car、シトロエン2CVなど籐が使われたヨーロッパ車が他にもありましたね。
○カングーで作りたい!
職人探しに苦労しましたが、ご紹介でたどりついた方にすぐ会いに行き、お願いすることになりました。(詳しくは前回のブログをご覧ください)
…依頼から3ヶ月。
近所じゃなかったので3回の訪問はちょっと大変でしたが、甲斐あって期待通りのものができあがりました。
こちらです!!
全て籐でできています。太いフレームは火で炙りながら曲げるそうです。
編み方は「網代編み(アジロアミ)」です。
4ミリ幅の籐を縦横に編み広げてゆきます。編むときに水に湿らせるのは乾いた時に縮んで張りを出す方法なんだそうです。
目を飛ばさないパターンで編んでいただいたため丈夫。透けもありません。
これが全て手作業だとは…
○両開き
今回こだわったことの一つが「両開き」です。
純正のトノボードだと、リアシートの子供たちがトランクにあるリュックサックのおやつが取り出せませんでした(我が家の話)。とてももどかしいと感じていました。
難しいことはしていませんが、純正のように後側も、前側も開くように作っています。
これでリアシートからでも荷物が取れるようになります。
つまみの穴を小ぶりに作っていますが、これはうちの末っ子の指の大きさに合わせています(笑)。
○籐のいいところ 籐といえば、天然素材のやさしさ、かわいい見た目、手仕事の温もり、懐かしい気配。そして経年変化。 ねらいの色味に塗装して仕上げることもあるそうですが、今回は無垢で仕上げています。 陽にあたり、手で触って、だんだんと飴色に変化してゆくはずです。 工房で見せていただいた旧い椅子はみんないい表情でした。いつかあんな風に。
輸入品に押されて国内の手編み職人は数えるほどになったと聞きました。 4代目を継がれた店主もお一人で全てをこなしてらっしゃいます。 トノボードは注文後にひとつずつ作ってもらうため、少しお時間をいただく商品です。(1.5〜2ヶ月程度)ご了承ください。 WEB SHOPに先駆けて店頭での販売を開始します。 実物見本を店頭に置いています。見るだけでも大歓迎ですよ。
ぜひ実物を見にきてほしいなあと思います。
手仕事にふれ、ゆっくりと味わう飴色への変化は、ノイジーで忙しく変化する(した)世の中でこそますます味わい深くなりそうです。
商品名:籐のトノボード 価格:187,000円(税込) 日本製、手編み
店頭に見本ございます。 デグチ
Comments